あまりたくさん書いても読むのが面倒だろうから重要なものに絞って書く。 引用した予備校はどれも相応の水準に達していると思われる。 予備校を批判している部分もあるが、あくまでも一定以上の水準の中での批判と考えてほしい。
1. プロ講師とアルバイト講師
気にする必要はない。というと意外に思うかもしれないが本当に気にする必要はない。アルバイト講師は能力は一般に低いが、予備校のマニュアルに沿って粛々と授業を進めるので下手なプロ講師が勝手に講義するよりはマシである。ただしアルバイトは責任感に欠ける傾向があり授業中にケータイで話すような輩もいる。不良バイトをバッサリ切り捨てる予備校を選ぶべきだ。
以下の「ネット掲示板」の項で述べるように、不良講師に厳しい優良な予備校は必ずネットで悪評を流される。予備校はネットで悪評の高いところの中から選べ。匿名掲示板で批判者の悪意と執念が伝われば伝わるほど、そこは優良な予備校である。
2. 単科制予備校
単科塾ともいわれる。予備校マップの右上に属しているものである。英語なら英語、数学なら数学、といったように一つの科目に力を入れている。1科目だけ苦手で手当てしたい場合にのみ行くべきである。科目当たりの学費が割高なため、単科制予備校の掛け持ちは難しい。逆に言えばどの科目も中途半端な状態で単科制予備校に通おうとすると一科目しか手当てできず崩壊する危険がある。私もかつていくつかの単科塾に通ったが、一科目だけの割にしては費用と通塾の負担が非常に重く、途中で挫折した経験がある。
なお大手予備校のように科目単位で受講できる予備校を総称して単科制予備校と呼ぶこともあるが、そうすると事実上すべての予備校が入ってしまうのでこの意味ではほとんど使われない。
なぜ単科で通うのかというと、語弊があるかもしれないが「総額が安いから」である。断言するが、それ以外の理由はない。一科目しか受けないのだから総額が安いのは当然だ。単科制予備校には結果として意欲がない生徒が集まりやすい。
これは大手予備校の単科でも同じであり、本当は英語と世界史と古文を取りたいのだが金がもったいないから一番大事な英語だけ取る、というのが、少なくともこれまで仕事で接してきた大手予備校の生徒、特に現役生の多くの者の本音である。結果として英語の受講者数だけが膨れあがる。
本当に勉強したいなら、東京凰籃学院をモデルとする科目数割引のある予備校を探すべきだ。
3. 個別指導
一人一人の進度に合わせて授業する形態である。講師1人が生徒1人~数人を見て勉強させる。講師当たりの生徒数が多いほど一般に学費は安い。生徒が勉強している間は講師は暇だから1対1である必要はほとんどない。よってコストの面からも1対多を選ぶべきである。個別指導は一般に授業1時間当たり6千円以上するような高いものが多い。
しかし再び登場するが東京凰籃学院のように格安のところもある。これはおそらく国公立大に向けて複数科目の受講を考慮しているのだろう。
個別指導の守備範囲は広く、高校の補習から東大受験まで及ぶ。昨年と今年、東京凰籃学院では個別授業生が全員東大に合格した(ここ参照)。その中には大手予備校で私が接したことのあるかなり成績の悪かった生徒も含まれている。
個別指導も案外大きな効果を期待できるということだ。
4. 大手予備校
駿台、河合、代ゼミに最近東進が加わった。基本的に大手はお勧めしない。理由は簡単。小規模の予備校のほうがサービスが充実しているからだ。
大手も最近はチューター制度や質問タイムを作ったりと努力はしているが、生徒数が多すぎて焼け石に水である。結果としてほとんどの生徒はただ講義を聞き、ノートをとって帰るだけになる。これでは問題集をやるのと変わらない。
また宿題もなければ小テストも添削もない。その割に学費は高い。
これに加え、学費免除の問題がある。大手予備校の東大合格実績に数えられる生徒は、大抵、何らかの名目で学費が免除になっている。そうしないと上位層が集まらないからである。つまり上位大学に合格させる力がないことを大手予備校自身が認めている。上位層もそれを熟知した上で、模試が無料になるというような理由だけで登録しているに過ぎない。上位層が実際に学費を払う相手は小規模予備校であり、そこで力をつけて大学に合格する。それならどう考えても小規模予備校に行くべきだ。大手予備校と難関大学合格者との間には、元来何の関係もない。
5. 小規模予備校
その小規模予備校である。大学受験のページであるから補習系のところは除いて述べる。基本的に大手と正反対と思えばよい。すなわち
特に大手のクラス選抜の甘さはどうしようもないレベルであって、これで競争が発生することはあり得ない。大手は生徒を甘やかし生徒を増やし収益を上げるモデル。小規模予備校は厳しくして成績を上げるモデル。厳しいのだから生徒は集まりにくく、当然小規模になる。ここで特筆すべきは小規模予備校の教務スタッフのレベルである。いまや管理者・講師ともどもほとんどが東大出身者であり、しかも儲からなくても優れた指導をしたいという情熱を持つ。圧倒的に優秀なのである。成績を上げたいなら小規模予備校以外にないといってもいい。もちろんあまり勉強したくない人は大手に行けばいいし、そういう選択も否定しない。
小規模予備校はある程度厳しい指導が基本だから予め多少の覚悟はしたほうがいい。小規模予備校については情報が少ないから、例えばこのページの下の方にある「【付録】少数精鋭塾の『常識』」のような記事には目を通しておいた方がいいだろう。
6. フランチャイズ
明光義塾を筆頭に、いわゆるチェーン展開している予備校。本部からノウハウの提供は受けるが経営は独立している。コンビニと同じで経営が不安定になりがちである。主に低学力層をターゲットに個別指導を行い補習レベルの需要に応えている。学研やECCのように、こういっては何だが、主婦が自宅で片手間にやっている感のあるところも多い。言われているほど悪くはない。というか、もともと机の前に座って勉強することさえできない生徒を監視して勉強させるものなので、いいも悪いもない。うるさい生徒をつまみ出してくれさえすれば充分だ。自分で勉強できない人はどんどん行けばいい。
7. ネット掲示板
全くあてにならない。匿名の悪意をもった書き込みを信じてはいけない。予備校を叩いているのは生徒ではなく大概が元講師か元職員、応募者である。親の管理下にあり受験で忙しい生徒が掲示板にのめり込むことなどまずない。
予備校が掲示板で叩かれるということは、予備校が不良人員をクビもしくは不採用にしたということだ。それだけまともな予備校なのである。クビになった者は自分が悪いので合法的に対抗できない。そこで掲示板で次から次へと嘘や中傷をぶちまける。そしてまたそういう人間だからこそクビや不採用になったのだ。予備校に粘着すればするほどその予備校に未練があるということであり、それだけ魅力的な職場だったということだ。
掲示板の内部告発の類はすべて嘘と思っていい。実際、予備校が行政から処分されたケースで事前に掲示板に情報が漏れていた例は皆無である。
ゆえにネットで執拗に叩かれている予備校は多いがその中から選ぶのは正しい方針だ。
8. テレビCM
依然CMを流している愚かな予備校がある。この不景気にテレビなど使えば、高い広告料がダイレクトに学費や教材費、手抜きとなって跳ね返ってくる。テレビCMで見た予備校には行かないほうが無難だろう。
9. 自習室
全く必要ない。これはぜひ意識改革をしてもらいたい。家に勉強スペースがあるのにわざわざ重い荷物を持って自習室に行って勉強するなど正気の沙汰ではない。中には自習室を目的に予備校の単科講座を取れとか指摘する輩もいるが、本末転倒である。家には参考書も辞書も問題集もすべて揃っている。これを上回る学習環境はない。既にあるものより劣化したものを手に入れるために金を払う必要はない。
さらに自習室の質の問題がある。大手予備校の自習室はときにうるさかったり、デートクラブと化していたりする。いちゃついてるDQNを前にして勉強などできるか?家で勉強できない人が自習室に行ったからといって頭の中まで改善されるわけではない。せいぜい勉強している振りができるだけである。
どことはいわないが某大手予備校のラウンジや自習室で勉強している人を見ると、こう言っては申し訳ないが、あまり偏差値の高い高校の制服を着ている者はいない。人前で勉強している振りを披露し、自己満足に浸っているだけである。上にも書いたが、優秀な生徒はその間にも小規模予備校で勉強し、あるいは出された課題を家で黙々と解いている。
一番いいのは家で受講できるブロードバンド授業である。その便利さは、例えばこういうところなどを見てもらえばわかるからここではいちいち記さない。この手のサービスを探してみるのも手だろう。
10. 支払能力
受験生が予備校の講座を選択するかどうかは、その講座に魅力があるかどうかよりも、金を払う意志があるかどうかで決まることが多い。
支払能力といっても金持ちかどうかは関係ない。あくまで教育に金をかける気があるかどうかである。例えば金持ちでも、私立医大にウン千万ぶっ込もうとしている家は、予備校に金はかけない。支払能力はゼロである。
どんなに意欲的に見えるノリのいい生徒でも支払能力がなければ決して受講はしない。地味な生徒でも支払能力のある者は自分からさっさと申し込む。
小規模予備校にはここでいう支払能力の高い、勉強熱心な者が集まる。一方、大手予備校は派手な宣伝によって「やる気のない層」を無理矢理集めることで成り立っている。当然教育環境は悪化する。授業中寝ている。言うことは立派だが勉強はしない。どうでもいいことでクレームをつける。そんな生徒を騙し騙し継続させるのが大手職員の任務である。
予備校選びで迷っている者は、予備校ではなく、金を出すかどうかで迷っていることが多い。そういう者は情報をいくら集めても時間の無駄である。「いい講座があれば金を出すのだが」というのはほとんど嘘である。教育投資する者はそんなこと言う前にとっくに投資している。自分の本音を直視し、金を出す気がないなら予備校は諦め、自分で勉強したほうがいいだろう。
© yobikou_erabi
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